なんと言っても、あのクシャッと潰れた愛嬌のある鼻ペチャ顔が
最大の魅力です。
あのブサかわいい鼻ペチャ顔は、一度飼うとやみつきになって
しまいますよね。
また、特徴的なコウモリ耳と、クリクリの大きなお目目が、
より一層フレンチブルドッグの表情を豊かにしています。
少し小ぶりでアンバランスなボディがまた、なんともコミカルな
動きをして、誰もが思わず笑顔になってしまう…
フレンチブルドッグにはそんな魅力がいっぱいです。
鼻ペチャ犬と言えば、長毛ならばシーズー、短毛ならばパグの人気が高かった日本ですが、
数年前からじわじわとフレンチブルドッグの人気が高まってきました。
ちょうどその頃にフレンチブルドッグが、日本映画の主人公に抜擢されたこともあり、
より多くの人に知られるようになり、さらにその人気に拍車がかかっていきます。
そして、とうとう2006年の登録件数(JKC)でトップ10入りを果たしたのです。
性格も、人なつっこく穏やかで、ほとんど吠えることはありません。
それほど大きくなく、ほとんど吠えないため、マンションにお住まいの方でも飼うことが可能です。
そんなところもまた人気が出てきた秘密の1つなのかもしれませんね。
フレンチ・ブルドッグは、その名が示すとおり、フランスが原産国とされています。
ですが、さらにさかのぼると、その祖先はイギリスのブルドッグ。
ブルドッグの名前は、「Bull(雄牛)」と言う言葉から付けられていて、
牛と闘う犬…闘犬として作られてきたものです。
そのブルドッグの中でも、小型の犬が後にフランスへ渡り、パグやテリアなどとの交雑が行われ、
より穏やかな性格へと改良されたのがフレンチ・ブルドッグと言われています。
始めは庶民の間で親しまれ、ネズミ捕りなどにも使用されていたフレンチ・ブルドッグでした。
それが、その愛嬌のある容姿から徐々に貴族たちの間で人気が出ていきます。
その頃のフレンチブルドッグの耳は、今のようなコウモリ耳だけではありませんでした。
ブルドッグの名残を持った折れ曲がった耳…ローズ耳のフレンチブルドッグも存在していたのです。
その後、フレンチブルドッグはアメリカにも渡っていきます。
そして、そのショー大国アメリカで、ブルドッグとは違う犬種である証として、
コウモリ耳が推奨され、定着していくことになるのです。
●フレンチブルドッグのスタンダード
犬のスタンダードとは、犬の純潔性を守るためその犬の理想の
形態や気質などを細かく定めたものです。
多くのブリーダーたちは、そのスタンダードに記載されたフレンチ
ブルドッグを目指して、日々努力を重ねています。
まだドッグショーで活躍する犬達も、どれだけスタンダードに近い
のかを競い合い、一定の結果を出した犬がCH(チャンピオン犬)
として認められます。
ここでは、JKC(ジャパンケンネルクラブ)が定めるスタンダードか
らフレンチブルドッグの大きな特徴の部分を、わかりやすく簡単に
まとめてみたいと思います。
1.頭部
フレンチブルドッグの特徴と言えば、やっぱり頭部です。
体に比べて大きめの頭部に、クシャッと潰れた四角い顔。
クリクリの丸い目。大きく先が丸い立ち耳。
フレンチブルドッグの特徴を示す数々のパーツが集まっている部分と言えます。
そんな頭部について、スタンダードには次のように記述されています。
頑丈で、幅広く、四角くなければならず、頭部の皮膚には
対称的な襞(ひだ)と皺(しわ)が入っているが、過度ではない。
さらに頭蓋については、次のような記述もされています。
・幅広く、両耳間はほぼ平らで、額はドーム形である。
・眉弓は顕著で、両目の間の特に発達した額溝で分けられている。
・この額溝は頭頂まで達してはならない。
・オクシパットは、ほとんど発達していない。
こうしてみると、顔のしわも特に重要な特徴として取り上げられていることがよくわかりますね。
2.マズル(目の付け根から鼻の先までの口先の部分)
・たいへん短く、幅広で、対称的な襞ができる。
・マズルの長さは頭部の長さの約6分の1である。
3.目
・明瞭に見える目。
・活き活きとした表情で、位置は低く、鼻と耳から遠くに付いており、
色はダークで、かなり大きく、丸みを帯び、真っ直ぐに前方を見ている時には、
白い部分(強膜)は全く見えない。
・目の縁はブラックでなければならない。
4.耳
・中位の大きさで、付け根は幅広く、先端は丸みを帯びている。
・頭部の高い位置についているが、互いに接近しすぎることはなく、まっすぐ立っている。
・耳の開口部は前方を向いている。
・皮膚はなめらかで、感触は柔らかくなければならない。
耳は、フレンチブルドッグのもっとも重要な特徴のひとつです。
コウモリが羽を広げたような形に見えることから、コウモリ耳(バット・イヤー)と呼ばれています。
・被毛が良好な状態では、首の付け根の被毛の長さは7.5cmで、尾の飾り毛は15cmである。
5.歯
フレンチブルドッグならではのものとして、
歯についてもスタンダードでは細かく規定されています。
・幅広く、力強い。
・下顎は上顎の前に突き出ており、上向きである。
・下顎切歯の歯列はアーチしている。
・顎がずれたり、ねじれていてはならない。
・上顎と下顎の切歯間の隙間は厳密に定めるべきではなく、
上唇と下唇が完全に歯を覆っていることが必須条件である。
・下顎切歯は上顎切歯よりも前に出ている。
・切歯及び犬歯は充分に発達している。
・完全歯が望ましい。
フレンチブルドッグの歯は、一般的にアンダー・ショットと呼ばれる噛み合わせで、
簡単に言うと下の歯が突き出た受け口が標準ということです。
6.ボディー(体の特徴)
フレンチブルドッグのスタンダードには、ボディについての記述はそれほど多くありません。
前肢:
側望、前望すると、前脚は垂直(および真っ直ぐ)である。
肩:
充分にレイバックしていなければならない。
後肢:
よく筋肉が付いており、頑丈である。
足:
前足は、丸みを帯びており、コンパクトで、小さい。
即ち、僅かに外向している「猫足」である。
指趾は緊握しており、爪は短く、厚く、ブラックである。
後足は、丸みを帯びておりコンパクトで、内向も外向もしていない。
これらの記述を見ていくと、フレンチブルドッグはとてもがっしりしていて
筋肉質で力強い体つきが求められていることがわかります。
7.カラー(毛色)
ブリンドル:
虎柄のような印象を与える、ダークな縞模様が特徴的なフォーンの被毛。
濃い縞模様の被毛が地色のフォーンを覆ってはならない。
ブラック・マスクの場合もある。
わずかなホワイトの斑は許容される。
フォーン:
明るいフォーンからダークなフォーンまでの単色。
部分的に明るい色が見られる場合もある。
ブラック・マスクである場合も、ない場合もあるが、マスクがある方が望ましい。
僅かなホワイトの斑を伴うこともある。
パイド:
ホワイトの斑があるブリンドル。
斑が全体に分散されているのが理想的。
若干の皮膚にある斑は許容される。
フォーン・アンド・ホワイト:
斑が全体に分散されているのが理想的。
若干の皮膚にある斑は許容される。
クリーム:
薄い黄色の毛色。白っぽいものから茶色に近いものまで様々。
また、ブラック、ブラック&ホワイト (ホワイト&ブラック)、クリーム&ブラック
フォーン&ブラック、グレー&ホワイト (ホワイト&グレー)の毛色は認められていません。
そのため、血統証明書の毛色の前に「×」マークが記載されます。
※「~&ブラック」が、ブラック・マスクを指す場合は、スタンダード内となります。
8.サイズ(体の大きさ)
スタンダードでは、
8kgから14kgまでと定められています。
一般的にメスのほうが軽く、オスのほうが体も大きく、体重も重いようです。
やはり頭部とのバランスが重要で、頭部が小さく見えるほど大柄なボディはよくありません。
また逆に、細くて華奢なボディもフレンチブルドッグとしての特徴からは逸脱してしまいます。
頭部に対して小さめのボディでありながらも、
がっちりとしっかりした体つきであることが重要なのです。
いろいろ見てきましたが、スタンダードからはずれている場合でも、
それはその子の個性であるといえますので、愛情をたくさん注いで育ててあげてくださいね。
ペットとして愛情を注いで飼う分には、スタンダードなんて関係ないですからね(*^^*)